在庫管理表は、「商品マスタ」と「入出庫」の2つのシートに分けると、数が増えても崩れません。商品マスタに商品名と最小在庫を入れ、入出庫には「いつ・何を・入庫か出庫か・何個」を1行ずつ記録します。在庫数はSUMIFS関数で自動計算し、発注の目安に達したら赤く表示します。Excelでも、無料のGoogleスプレッドシートでも同じ式が使えます。
全体の作り方
- シート1「商品マスタ」を作る。
- シート2「入出庫」を作る。
- 商品マスタに、在庫数を自動計算する式を入れる。
- 条件付き書式で、在庫が少ない商品を赤くする。
- 月1回の棚卸しで、帳簿と現物を合わせる。
商品マスタ:入れる列
シート名を「商品マスタ」にして、次の列を作ります。
| 列 | 項目 | 内容の例 |
|---|---|---|
| A | 商品コード | A001 |
| B | 商品名 | ハンドクリーム 50g |
| C | 仕入れ値 | 480 |
| D | 販売価格 | 980 |
| E | 期首在庫 | 20 |
| F | 入庫合計 | (自動計算) |
| G | 出庫合計 | (自動計算) |
| H | 現在庫 | (自動計算) |
| I | 最小在庫 | 6 |
| J | 状態 | (自動で「発注」または「OK」) |
| K | 在庫金額 | (自動計算) |
入出庫:1行に1回の動き
シート名を「入出庫」にして、次の列を作ります。
| 列 | 項目 | 内容の例 |
|---|---|---|
| A | 日付 | 2026/11/6 |
| B | 商品コード | A001 |
| C | 区分 | 入庫 または 出庫 |
| D | 数量 | 10 |
| E | メモ | 仕入れ先名、販売先など |
区分は、プルダウン(データの入力規則)で「入庫」「出庫」だけ選べるようにすると、入力ミスを減らせます。
在庫を自動計算する式
商品マスタの2行目に、次の式を入れて、下にコピーします。
- 入庫合計(F2):`=SUMIFS(入出庫!$D:$D,入出庫!$B:$B,$A2,入出庫!$C:$C,"入庫")`
- 出庫合計(G2):`=SUMIFS(入出庫!$D:$D,入出庫!$B:$B,$A2,入出庫!$C:$C,"出庫")`
- 現在庫(H2):`=E2+F2-G2`
- 状態(J2):`=IF(H2<=I2,"発注","OK")`
- 在庫金額(K2):`=H2*C2`
空白の行に式をコピーしたときに表示を消すには、`=IF(A2="","",IF(H2<=I2,"発注","OK"))`のように、商品コードが空なら空白にします。SUMIFS関数の詳しい書き方は、MicrosoftやGoogleの公式ヘルプで確認できます。
最小在庫の決め方と、赤く光らせる設定
最小在庫は、「この数を下回ったら発注する」目安です。実用的な決め方は、1日の平均販売数 × 仕入れにかかる日数 + 余裕分 です。たとえば1日2個売れて、仕入れに7日かかるなら、14個に余裕分を足した数が目安になります。
在庫が少ない行を見逃さないために、条件付き書式を使います。
- Excel:行を選択し、ホーム>条件付き書式>新しいルール>「数式を使用して…」で `=$H2<=$I2` と入力し、塗りつぶしを赤にします。
- Googleスプレッドシート:表示形式>条件付き書式>「カスタム数式」に同じ式を入れます。
棚卸しの進め方
帳簿の在庫と、棚にある現物は、時間がたつとずれていきます。次のリズムで合わせましょう。
- 月に1回、営業時間外に全商品を数える。
- 週に1回、よく動く10商品だけ確認する。
- 差があったら、入出庫シートに「棚卸し調整」として記録し、原因(誤出荷、破損、入力漏れ)をメモする。
運用を続けるための3つの習慣
- 入荷した日、販売した日にすぐ入力する。 まとめて入力すると、必ず抜けます。
- 商品コードは変えない。 名前を変えても、コードが同じなら集計が壊れません。
- バックアップを取る。 クラウド保存や日付付きのコピーで、誤って消しても戻せます。スマホとデータのバックアップ方法も参考にしてください。
次のステップ
商品数が数百を超える、複数の店舗で共有する、といった場合は、スプレッドシートより在庫管理サービスのほうが向いています。まずは無料のスプレッドシートで運用し、手間が増えてから切り替えを検討すると失敗しにくくなります。販売先を広げたいときは、Googleビジネスプロフィールの登録方法から始めるのも有効です。
手順やメニュー名は、機種・OSのバージョン・契約先によって異なります。最新の表示は各社の公式ヘルプでご確認ください。
よくある質問
エクセルの在庫管理表は無料で作れますか?
はい、ExcelまたはGoogleスプレッドシートで作れます。この記事の2シート構成とSUMIFS関数を使えば、在庫数が自動で計算されます。
在庫数を自動で計算する関数は何ですか?
SUMIFS関数が便利です。入出庫シートから、商品コードと区分(入庫・出庫)で数量を合計し、現在庫=期首在庫+入庫−出庫で求めます。
最小在庫はどう決めればいいですか?
1日の平均販売数×仕入れにかかる日数+余裕分が目安です。売れ行きが変わったら見直します。
棚卸しはどのくらいの頻度で行いますか?
月に1回の全数確認と、週に1回の主力商品の確認を目安にしてください。差が出たら調整として記録します。
参考情報: Microsoft(英語):SUMIFS関数 · Google ドキュメントエディタヘルプ:SUMIFS関数 · Google ドキュメントエディタヘルプ:条件付き書式



